最初の一歩は、西日本政策金融公庫への相談でした。
利息や遅延損害金の問題を一時的に棚上げし、元金の返済方法に焦点を当てるという提案をいただきました。元金は残り約150万程で月々5万円の支払いという計画は、私にとっては一筋の光のようなものでした。しかし、法的な制約から妹もこの返済に加わることに。半分ではありませんが三分の一を妹に払ってもらうことにしました。
続いては地元の銀行、郵便局、ガソリンスタンド、車屋さん、その他のこまごました借金返済の問題に取り組みました。
こちらは、合計で約200万円以上に上り、心が重くなるほどの負担でした。例えば地元の銀行さんは分割ではなく一括で返済をしかも1ヶ月後に求めてこられました。それに他の皆さんも表向きは「少しづづで良いよ」とは言いつつも、長年返済が滞ってた訳ですので本音はすぐに返して欲しいはずです。
すぐにでもこの200万は用意しなければならないと考え、先ず残っていたお店を売る算段を早急につけることにしました。実は父が生前から売りには出していたのですが、少しでも良い値で売りたかったらしく(三百万は欲しかったみたいです)なかなか買手が見つかりませんでした。
しかし、そんな事言ってられません。安かろうとすぐに現金化できる方が大事ですから、半値で店舗のお隣に住んでられる親戚の方に購入してもらう事にしました。幸いその値段なら、ということで話がすぐに決まり150万のまとまったお金を手にできました。
次に父親の国民年金に目をつけました。昨年父は年金を貰える歳になっていたのですが、それを遅らせていたので貰わずに死んでしまったのです。調べていくとその一年分を相続人が貰えることが分かったのです。
金額は50万程で、この土地と父親の年金は今の私にはありがたい親の遺産でした。
これらを使いかき集めた200万で地元の関係者の方々にお支払いをさせていただきました。
200万円を肩代わりしてくれている別の親戚の叔父さんには申し訳ないですが甘えさせてもらいます。
次に私はお店の税理士さんに会いにいきました。
本当に初めて会う方でやはり緊張しました。市内のマンションの一室で税理士業をやっておられて、見た目は70代ぐらいの穏やかな方でした。
話を聞いてくださり、私の祖父の頃からの仕事を貰っていた事や、父から連絡がつかなくなり心配していたという事、もっと早く相談してほしかったと残念がられていました。
他にも未払いの報酬の事はそっちのけで相談に乗ってくださりました。今後金銭面どうしたら良いかとか、家を継ぐときに実家の会社も継いだのでそちらはどのように対応したら良いかとか。
特に印象的だったのは、私が恐る恐る未払い分のお金の話をしようとした時でした。
こちらの税理士さんは、
「お祖父さんの頃からお世話になっているから」
とおっしゃっり未払いの150万円を免除してくださりました。この言葉は、ただの金銭的な支援以上のものでした。地域社会の温かさと、長年培われた信頼関係の大切さを改めて感じた瞬間でした。
このような経験を通じて、私はいくつかの重要な教訓を学びました。一つは、問題に直面したとき、一人で抱え込まずに周囲に助けを求めることの大切さです。
家族、友人、地域社会のサポートは、困難な状況を乗り越えるために不可欠です。また、自分の問題を正直に共有する勇気を持つことも重要です。
もちろんこの当時はこんな事は表面上理解したふりをしていただけです。
自分が大変という事でいっぱいいっぱいで薄っぺらい感謝を述べていた気がします。
現在は、状況を理解し、支援を申し出てくれたこの当時の人々には心から感謝しています。
こうなるには、まだまだ先の話ですが。